通関士試験合格後のこと

ここまでのページで、通関士試験の内容について、さまざまな角度から見てきました。
このページでは、少し気が早いかもしれませんが、通関士試験「後」にも思いを巡らせてみたいと思います。

「つらい受験勉強を乗り越え、試験に見事合格することができたら早速、通関士として業務をスタート!」といきたいところですが、実は、通関士試験に合格しただけでは、通関士を名乗ることはできません。通関士試験の合格者というのはまだ、通関士に「なれる」資格を手にした状態に過ぎないのです。

こう書くと、実際に通関士に「なる」ためには、また別の試験が課されるのではないかと、心配になる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
通関士に「なる」ためには、通関業者(詳細は「通関業者で働こう!」のページを参照のこと)に所属したうえで必要書類を提出し、税関長の「確認」を受ければOKです(ただし、試験はありませんが審査はあります)。
ちなみに、通関士試験は試験実施地によって手続きを行う税関が異なりましたが、そこで得た通関士資格は地区限定ではなく、全国いずれの税関でも「確認」を受けることができます。

注意点としては、この「確認」というのは、所属している通関業者で通関業務に従事している間のみ有効である点です。そのため、通関業者を退職したり、あるいはその通関業者の中で通関業務以外の業務に従事するようになった場合には、資格は喪失します。
ただし、たとえば通関業者を退職したとしても、転職して別の通関業者に所属して再度「確認」の手続きを受ければ、喪失していた通関士資格は復活します。

海外にも「通関士」に似た資格は存在して、一例を挙げると、中国の「諜報員」という資格は更新制を採っているため、資格取得後、一定期間以上職務に従事していない場合、資格は喪失になるようです。
それに対して日本の「通関士」資格は、一度合格してしまえば、不正行為等によって取り消し処分を受けない限りは、たとえブランクが空いたとしても、資格自体が失効することはありません。つまり、通関士は“一生涯の資格”というわけです。