通関士の職場「通関業者」とは

通関士になるためには、単に通関士試験に合格するだけでは不十分で、試験合格後、通関業者に所属したうえで、税関長の「確認」を受ける必要があります。
そして、この「確認」というのは通関業者に所属している間のみ有効で、仮にその通関業者を退職してしまうと、通関士資格は一旦喪失となります(失効ではありません!)。

以上のことからもわかる通り、通関士には独立・開業という概念は存在しません。通関士は、通関業者に所属して初めて、通関士を名乗ることができるのです。

では、通関士が通関業務を行ううえで不可欠な「通関業者」とは一体何なのでしょうか?

一言で言えば、「輸出入者の依頼を受けて、通関手続きの代理業務を行う業者」のことです。
通関士になるには税関長の「確認」が必要であったのと同じように、通関業者になる(=通関業を営む)には税関長の「許可」が必要になってきます。この「許可」を取得した業者のみが、通関業者として、通関業務を独占的に行うことができます。

「通関業者」と聞いても、具体的な会社のイメージが湧かない人も多いかと思いますが、それもそのはず、通関業を専業で行っている会社というのは実はあまりありません。
運送業者、物流業者、倉庫業者、旅行業者などが兼業で行っていることがほとんどで、最近では規制緩和の流れを受けて、大手の製造業や流通業の子会社が通関業務を行うケースも珍しくありません。裏を返せば、それだけ、通関士の就職先は多様であると言うことができます。

以上のような通関業者に就職して、通関業務に直接従事するというのが、もっともオーソドックスな方法になりますが、通関士資格の活かし方はそれにとどまりません。

通関業務に直接従事しない、たとえば営業職として、通関業務を依頼する輸出入者に対応する際にも、通関士の知識を役立てることができます。
さらに言えば、通関業者に就職するのではなく、通関業者に依頼をする側の会社、具体的には商社やメーカーの貿易部門に就職して、通関士の知識を活かすという方法もあります。

通関士というのは、就職先が多様であるだけでなく、活躍の場のたいへん広い資格でもあるのです。